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【DE BEYOND記事まとめ】日本初のトークン化預金ができるまで~デジタル通貨DCJPYの1,527日~


こんにちは。「DE BEYOND」編集部です。2024年8月28日、私たちが開発を進めてきたデジタル通貨DCJPYがサービスを開始しました。

DCJPYはブロックチェーン技術を使い、民間銀行の預金をデジタル化した日本で初めてのトークン化預金です。サービス開始の発表は日本経済新聞、日本テレビといったマスメディアでも取り上げられました。

2020年のデジタル通貨勉強会の発足から、サービスモデルの構想、プロダクトの開発を始めて2024年のサービス開始まで約4年2ヵ月。その間、2022年12月にはこの「DE BEYOND」もスタートし、プロジェクトの進行と並行して、これまでさまざまな記事を配信してきました。

今回はDCJPYのこれまで道のりをあらためて振り返りつつ、関連記事をピックアップしてご紹介します。


1.【2020年6月】デジタル通貨勉強会の発足

デジタル通貨DCJPYのプロジェクトがスタートしたのは2020年。新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業がリモートワークを導入した年でした。

そんな2020年の6月3日、デジタル通貨のあり方を協議する場として、デジタル通貨勉強会が発足。メガバンクや日本を代表する多くの企業にご参加いただき、通貨のデジタル化にはどんな意義があるのか、そもそも「通貨」とは何なのか、議論・研究に入りました。

勉強会では座長を務められた山岡浩巳さん(フューチャー株式会社取締役/元日本銀行決済機構局長)が銀行預金をトークン化する方向性を示し、DCJPYは実用化に向けた最初の一歩を踏み出します。

デジタル通貨勉強会のテーマの1つである、お金、通貨の定義についてはこちらの記事にまとめています。

お金の価値と役割とは?

お金のデジタル化とは何か?

また、少し視点を変えて、哲学や思想の観点から「お金」を整理すると、どのように位置付けられるのでしょうか?大阪大学招聘教員の朱喜哲(チュ・ヒチョル)さんをお招きし、解説していただきました。


【デジタル通貨を哲学する Vol.1】思想史から見るお金と信用。そしてELSI

2.【2020年12月】デジタル通貨フォーラムの設立

続く2020年12月にはデジタル通貨勉強会を発展させ、デジタル通貨フォーラムを設立しました。

現在の参加企業、団体は100以上。山岡浩巳さんが示された方向性をもとにサービスの方式を「二層構造デジタル通貨」と名づけ、開発に着手するとともに、ユースケースの概念検証(PoC)をスタートしました。

デジタル通貨で私たちの生活はどのように変わるのか、社会、経済にどういった影響をもたらす可能性があるのか。以下3本の記事でご紹介しています。

デジタル通貨で私たちの生活の何が便利になる?

新しいライフスタイルの実現に向けて、デジタル通貨ができること

デジタル通貨はシェアリングエコノミーを加速させる!?

3.【2021年11月】プログレスレポート&ホワイトペーパーの発行

2021年に入ると、ブロックチェーンやメタバースへの社会的な注目がますます高まり、政府によってデジタル庁が新設されました。そうしたなか、私たちは2021年11月にデジタル通貨フォーラムの活動の成果をまとめたプログレスレポートホワイトペーパー(初版)を発行します。

プログレスレポートでは、ユースケースの検討をはじめとするこれまでのデジタル通貨フォーラムの取り組みをご紹介するとともに、デジタル通貨の実現に向けた展望を示しました。一方、ホワイトペーパーではDCJPYの特徴である二層構造方式の具体的な仕組みをご紹介しました。

デジタル通貨をめぐる当時の情勢、展望はデジタル通貨フォーラム座長の山岡浩巳さんがこちらの記事でも詳しく解説されています。

2022年度版 デジタル通貨の世界的潮流

また、DCJPY独自の二層構造については、当社プロダクト本部長の清水健一が以下のインタビュー記事のなかで触れています。

特許取得のプロダクトを支える技術とは?

ちなみにプログレスレポートはその後もアップデートを重ねて発行し、2024年10月には最新版の第4号を公開しました。

4.【2022年~2023年】概念検証(PoC)の実施

翌2022年から2023年にかけては、電力取引、小売り・流通、地域通貨といった分科会ごとに、プロダクトの動作とユースケースの検証を目的とした十数件の概念検証(PoC)を実施しました。

それと並行して「DE BEYOND」ではデジタル通貨のさらなる可能性を探るため、アート、金融、都市開発など各分野で活躍されているスペシャリストの方々をゲストにお招きし、対談の模様をお届けしました。

キュレーターに学ぶブロックチェーンとアートの関係 アートの視点からデジタル通貨を考える

通信と金融のシナジー “バリアフリー”でデジタル決済の未来をつくる

環境先進都市ポートランドの立役者に学ぶ、サステナブルな社会とテクノロジーの最適な関係

5.【2023年10月】ホワイトペーパーの更新と商用化プロジェクト合意

開発プロジェクトの進捗にあわせ、2023年10月にはホワイトペーパーの第2版(“DCJPY” White Paper 2023)を発行します。「DE BEYOND」ではこのホワイトペーパーのダイジェスト版として、こちらの記事でデジタル通貨DCJPYの世界観やプロダクトビジョン、提供サービスの詳細をご紹介しています。

3分でわかるデジタル通貨DCJPY~プロダクトビジョンと世界観編~

3分でわかるデジタル通貨DCJPY~私たちが提供するサービス編~

また同じく10月には、翌年夏のサービス開始に向け、GMOあおぞらネット銀行株式会社、株式会社インターネットイニシアティブと商用化プロジェクトを推進していくことで合意しました。

以下の記事は、プロジェクト合意にあたってプロダクト本部長の清水健一がGMOあおぞらネット銀行主催のイベントに登壇させていただいた際の模様をお届けしたものです。

GMOあおぞらネット銀行 sunabar コミュニティイベント「ディーカレットDCPと語る、民間デジタル通貨の変遷」セミナーレポート

6.【2024年8月】サービス開始

こうした約4年2ヵ月、1,527日にわたる取り組みを経て、今年8月28日、デジタル通貨DCJPYはサービスを開始しました。商用化プロジェクトの第1弾は、「環境価値のデジタルアセット化とデジタル通貨DCJPYによる決済取引です。

「環境価値と言われても、今ひとつピンとこない…」、「それをデジタル化するとどうなるの?」という方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。

環境価値ってどんな「価値」?

環境価値の取引はデジタル通貨でどう変わる?

(まとめ)
今回はデジタル通貨DCJPYのこれまでの歩みを振り返りつつ、関連する記事をピックアップしてみました。「DeByond」では今後もデジタル通貨を取り巻く状況をウォッチし、最新情報をお届けしていきます。


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