デジタル通貨で私たちの生活の何が便利になる?
ハナエ:同じ“デジタルマネー”でも、裏の仕組みはデジタル化されていなかったわけですね。でもデジタル通貨で、私たちの生活の何が具体的に変わるのですか?
時田一広(以下、時田):では実際の生活の変化について、分かりやすい例でお伝えしていきますね。
20万円の給料が振り込まれました - これまで -
時田:給料日に20万円支払われたとします。ハナエさんなら、まず何をしますか?
ハナエ:毎月の引き落とし口座が複数あるのでそれぞれの口座にお金を移します。それから生活費などを抜いて、残りを貯金に回します。
時田:そう、つまり支払いや家計の管理作業をしますよね?
引き落としのタイミングや支払い口座はバラバラで、給料が入るたびに一つひとつを個別対応しなければいけないのが現状の銀行システムです。
「決められた日に引き落とされる」は当たり前じゃない!
時田:でも私なんかは、「本当は決まった日に引き落とされなくてもいいんじゃないの?」って思ってしまうわけですよ。だって電力会社からしたら、うまく請求と入金の管理さえできれば、こちらがいつ支払ってもいいはずです。
ハナエ:引き落とし日の前にお金があれば先に払いたくても、現状のシステムでは絶対に変えることができないと思っていました。支払われる側もまだ気づいてないのですね。
デジタル通貨は、全ての人に開かれた“決済の民主化”
時田:ところが、デジタル通貨では支払い方法やタイミングを柔軟に選択できるようになります。
そうなると、毎月の支払いが一気に変わります。
ハナエ:引き落としのタイミングや方法がこちらの都合で指定できると、いろいろなことが格段に便利になりますね!
時田:またお金がデジタル化しているので、プログラミングで新たな機能をカスタマイズして追加することなども可能になるわけです。つまり、これまでサービス提供側の機能に縛られていたことを公平にするのがデジタル通貨であり、すなわち、“決済の民主化”なのです。
では今度は、20万円のお給料がデジタル通貨で支払われる例を見ていきましょう。
20万円の給料が振り込まれました - デジタル通貨の場合 -
時田:デジタル通貨の世界では、給料が振り込まれた瞬間に希望の支払いルールに則って自動で振り分けられ、同時に支払いがなされます。
ハナエ:これはすごく便利ですね!うっかり忘れてしまうことも防げますね(笑)。
時田:そうでしょう?また期限だけ決めておけば、支払いたいタイミングで自由に支払えます。都度支払も可能ですし、手元のお金を最大限に活用できます。
ハナエ:月末の支払いや家計の管理から開放されるのも夢ではないですね!私たちの生活が大きく変わることは分かりましたが、社会全体にはどのような影響があるのですか?
時田:デジタル社会がさらに加速していきます。
ハナエ:では次回は、私たちの社会がどうデジタル化していくのかについて詳しくお聞かせください。
(注)記事内の事例は特定の会社を指しているわけではなく、あくまで一般的な想定事例です。