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お金の価値と役割とは?

こんにちは、ディーカレットDCPのハナエです。
デジタル通貨について学んでいく本シリーズ。前回は、プロダクト開発責任者の時田一広さんにデジタル通貨の基本から教えていただきました。
 
今回は、プロダクト開発のヘッドとしてデジタル通貨を実際につくっている清水健一さんです。ディーカレットDCPのプロダクト開発理念や思想、世界的にもほとんど前例のないプロダクト開発をどのように進めているのか?詳しく聞いていきます。

前回の連載 ▷ https://note.decurret-dcp.com/n/na23c008b68f5

ハナエ:こんにちは。本日はデジタル通貨開発の最前線にいる清水さんに、実際のプロダクト開発についてお伺いしたいと思います。そもそも清水さんがデジタル通貨に興味をもったのはなぜですか?
 
清水健一(以下、清水):これまではエンジニアとして多数企業に携わってきましたが、ディーカレットDCPの「あらゆる通貨と価値の役割をデジタル化し、豊かな社会創りに貢献します」というビジョンに共感し、2020年11月にデジタル通貨事業に参画したのがきっかけです。

プロダクト開発部門プロダクト開発グループヘッドの清水健一さん

多様な価値観を統一したお金

ハナエ:ありがとうございます。「あらゆる通貨と価値の役割をデジタル化」するというビジョンのうえで、清水さんはどんなプロダクトの世界観を描いていますか?
 
清水:「価値のデジタル化」とありますが、情報に対する価値感は人それぞれ異なるのが現状です。
 
異なる原因の一つは、価値を決めるための情報が絶対的に足らないことだと考えています。例えば、新車を購入したとします。定期的なメンテナンスも怠らず、毎週のように洗車し大切にしてきた車を売却しようとした際に、市場の評価は年式と走行距離で基本的に決まるのが一般的です。本来ならば、どのような使い方をしたかの客観的な情報があれば、同じ年式と走行距離の車が複数あった場合に、それぞれ価値が変わっても良いはずです。
 
一方で、共通の価値感をもてるものが世の中に存在しないのかというと、それを唯一統一することができたのがお金なのです。なぜなら、お金は価値の尺度を測ることができるといった特性をもっているからです。

お金は「価値のものさし」

ハナエ:価値の尺度を測れるとはどういうことでしょうか?

清水:例えば、お店で100円のりんごが売られていたとします。この「100円」という価格に対して疑問をもつ人はいませんよね?しかし、りんごが大嫌いな人にとっては100円の価値もありません。だからといって、当たり前ですが50円で売れるわけではない。

ここで何が起きているかと言うと、りんごが「100円」であるという価値の尺度が測定され、規定されています。日本では「円」という単位の尺度(ものさし)で商品の価値を測っています。

そのお陰で、物とお金といった価値同士を交換することが可能になるわけです。

つまり、人によって感じ方が異なる「価値」に対して「お金というものさし」で測れるようにしたことで、バラバラだった「価値」に対する共通認識をつくることに成功しました。これがお金という機構の大きな役割であり発明だったわけです。
 
このお金の役割は、世の中に溢れている情報(デジタル化された価値)へも転用可能だと思っています。

お金の役割を体現した二層構造

清水:デジタル通貨をつくるにあたり、このような既存のお金の役割を含ませる必要がありました。

ハナエ:二層構造プラットフォームは、すでにあるお金の機能から生まれた表現だったのですね。
 
清水:もちろんそれだけではありませんが、ベースとしてはそうです。それによってデジタル上で独立した固有の情報に新たな価値を付与したり、価値をつなぎ合わせることが可能となり、新たな経済圏をつくれるようになるわけです。

例えば、デジタル通貨上で先程の例に挙げた車に付随する情報を保持し、お金という共通の尺度を付与することで、1台1台に付いてまわる世界観を実現することも可能になります。

私が最終的につくり上げたい仕組みは、こういったお互いが独立し、かつ、つながり合う世界観です。これにより、共通的な尺度をもったいろいろな情報そのものが転々流通する世界、本質的な価値の役割をデジタル化できると考えています。
 
ハナエ:そのイメージがなかなか難しいのですが…。
 
清水:これはイメージしにくいですよね(笑)。では次回は、その辺りからお話していきます。

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