【note記事まとめ】RWA(現実資産)
先日、RWA(Real World Asset)の解説記事を出させて頂きましたが、ご覧になられたでしょうか?改めてにはなりますが、 RWAとは現実世界で私たちが保有する資産のことです。ブロックチェーン上に載せることを「トークン化」と呼びますが、RWAによって現実の資産をトークン化することで現実世界とデジタル世界の資産がつながり、Web3市場を拡張させる突破口になると昨年頃から一種のブームを巻き起こしています。
RWAの市場は今後10年で3兆5000億ドル〜10兆ドルにものぼるとの予想もあり、これからのWeb3の主軸を担うであろうRWAのポテンシャルに大きな注目が集まっています。そこで今回は、RWAの動向についてnote内の記事をまとめてみました。
RWA解説記事もあわせてご覧ください!
▷リアル資産トークンは金融エコシステムの救世主?2024年注目の「RWA」
RWA、そのブームの背景は?
RWAはまだ新しく定義が曖昧です。そこで、Web3について学び中ののdanskさんが、RWAとよく混同される有価証券をトークン化させたST(セキュリティトークン)との違いを示しながらRWAの概念について整理します。
加えてdanskさんは、STの現状やRWAに関する法律、言葉の定義などの参考になる情報を紹介。その他、RWAの有益な情報を得るためのニュースサイトやブロガーさんのリコメンドもあわせて掲載しています!
なぜRWAがこれほどブームになったのか?Web3とRWAの関連性は?Web3コンサルタント川本栄介さんは、「Web3の新しいフロンティア: RWA(リアルワールドアセット)の役割とリスク」というセミナーを開催した際に出た12個の質問にお答えするかたちで、RWAの動向について考察を展開しています。
RWAの課題と展望
RWAは希望も大きいけれども、未知数な部分も大きいのも現状です。前述のdanskさんがRWAのメリットとデメリットを整理しています。AIに尋ねるという何とも今らしい手法ですが、なかなかの的を得た回答もぜひお楽しみを!
RWAが今後Web3の中核を担っていく一方で、トークンと現物資産を必ず交換できるという保証は本当にあるのか?この鋭い問題定義を突きつけた記事を取り上げるのは、モリプト タツヤさんです。記事ではさらに、人の信用に依存しない解決法として、ブロックチェーンで契約書をトークン化する方法を挙げています。
さらに次世代金融の設計者さんは、「トークン化」自体の定義が曖昧であるとし、現物資産とトークン化はそもそも相性が悪いと一蹴します。アンディ・ウォーホールの作品である『理由なき反抗』の権利を表すトークンが1000個発行された例を挙げ、動産をトークン化することの危うさやトークンの権利移転の困難さについても厳しい指摘を展開しています。
RWAは伝統的な投資対象資産である株式や債券だけではなく、不動産、コモディティ、ビンテージカー、ワイン、アート、トレーディングカード(トレカ)といった「オルタナティブアセット」をトークン化も対象としています。
これらには消費財も多く含まれ、RWAで取引コストを下げ、小口化することで消費財も資産になるかもしれないと注目を集めました。果たしてRWAは本当に中間コストを削減できるのでしょうか?Decentierさんがこの論点に切り込みます。
具体的なRWAのユースケース
前述のモリプト タツヤさんはRWAの事例を2つ挙げています。一つが日本酒です。NFTマーケットプレイス「HINATA」で、酒造が発行・販売する日本酒の所有権や実物と引き換えする権利を取り引きできる「熟成酒NFT」が始まりました。引き換えは1年に1回のみと定められており、それまで現物は蔵元に保管されます。
ここでのポイントは、RWAという概念の登場によって現物と所有権を分離して売買することができたことです。そのお陰で、「NFT(非代替性トークン)」という言葉を意識しなくても説明できるようになったことが画期的だとモリプト タツヤさんは言います。
もう一つの事例が、NFTシェアハウスです。2022年9月にオープンしたDAO(分散型自律組織)の仕組みに基づいて運営される「Roopt神楽坂 DAO」。NFTを活用することでオーナーだけでなく、入居者や他の出資者が自律的に運営に関わっています。NFT3万円で1カ月の賃貸居住か7泊8日の宿泊滞在の権利が得られます。
つまりこれは、「NFT1個=3万円の家賃」といった裏付け資産のあるRWA NFTです。それが、このNFTシェアハウスプロジェクトが商業的に成功できた要因ではないかとモリプト タツヤさんは考察します。さらに、ビジネスにも繋がったことで空き家問題解決の糸口になったのも大きな成果です。RWA NFTの好例と言えるでしょう。
Decentierのリサーチャーのmitsuiさんは、RWAはこれまで流動性(すぐに現金に変えられるか否か)が低かった現物資産をトークン化することで、流動性を上げることができるのが最大のメリットだと言います。
RWAが扱うのは金融資産と非金融資産の2つがありますが、非金融分野での10のユースケースを挙げ、最新のRWAの活用法を示します。
最後に実践経営ネットワーク通信さんは、持続可能性を踏まえたデジタルとリアルの橋渡しとしてのRWAとNFT-Fiの可能性を探ります。初めに、ペイン(苦痛)とゲイン(利得)の両面のアプローチから社会価値の創造の発信点を説き、ゲインの観点からの社会創造として、RWAによる資産のデジタル化の可能性について触れています。
これまでWeb3市場は投機にばかり注目が集まり、持続可能性が疑問視されていました。しかし、実際の価値に基づくRWAやNFTは市場を安定させ、長期視点の投資を促し、より持続可能性が担保されたリアルとデジタル橋渡しになるのではないかと期待を込めています。
免責事項 :本記事は、取り上げた事例やコンテンツ、製品を推奨したり、投資や金融商品の購入をアドバイスするものではありません。