こんにちは。
ディーカレットDCPのDE BEYOND編集部です。

ホワイトペーパー「“DCJPY” White Paper 2023」の発行を記念し、私たちが提供する「デジタル通貨DCJPY（仮称）」（以下、DCJPY）がもたらすユーザー体験を描く本シリーズ。

３回目の今回は、ビジネス領域におけるDCJPYの活用法を見ていきたいと思います。業界は、仲介会社や管理会社、保険会社、保証会社といったさまざまなステークホルダーが介在している不動産賃貸業界です。プログラマブルマネーであるDCJPYによって、業界変革がもたらされる！？

これまで配信したDCJPYの未来 ▷
買い物編：https://note.decurret-dcp.com/n/nfd35eb0f5b4c
エンタメ編：https://note.decurret-dcp.com/n/nc765e739bf6a

ホワイトペーパー「“DCJPY” White Paper 2023」は以下ポータルサイトからダウンロード頂けます。

DCJPYの未来・不動産賃貸取引編

新たな時代の幕開け

都会の喧騒が漂う一日の始まり。古びた不動産管理会社のオフィスに、サムという若者が足を踏み入れました。サムは不動産賃貸の世界で働く新人スタッフで、今日は彼の仕事が一変する日でした。

「ここから、新しい未来が始まるんだ」
サムは胸を高鳴らせました。

デジタル通貨DCJPYの魔法

サムはオフィスで同僚たちと新しいデジタルのお金であるDCJPYについて話を聞く機会を得ました。それは取引と決済をシームレスに行える手段であり、オーナーや入居者との関係を効率的に築くカギになるということです。つまりDCJPYは、不動産賃貸業界に革命をもたらす可能性を秘めているのです。

「これが未来の賃貸業界か…すごいな」

リアルタイム決済と分配

サムはDCJPYを活用した不動産賃貸の新たな方法に興味を持ちました。従来のように売上金を受け取る手続きや振込作業は、DCJPYのプログラム可能性によって劇的に改善されると教えられました。それによって初期費用や家賃の分配が即座に行われ、人為的なヒューマンエラーのリスクが軽減されるのです。

「これで、もっとスムーズに業務が進むんだろうな」
サムは期待に胸を膨らませました。

業務の効率化と未来への道

サムは自社でDCJPYを実際に導入してみることに決めました。入居者が契約を締結する時に、DCJPYによる初期費用や毎月の家賃の支払いがトリガーとなり、自動的に各ステークホルダーの口座へ分配される仕組みを組み込みました。これによって売上金の管理と分配が自動化され、サムたちはより本質的な業務に集中できるようになりました。

「これで、私たちもより価値あるサービスを提供できる」
サムは満足げに微笑みました。

業界の変革と未来への期待

DCJPYの導入によって、不動産賃貸業界は大きな変革を迎えました。不動産管理会社は効率的に業務を遂行し、売上金の分配にかかる時間とリスクを削減することができました。付帯業者もキャッシュフローが改善し、未収保証料のリスクが軽減されました。

「これが未来の不動産賃貸業界なんだ」
サムは胸を張り、業界の変革を感じました。

DCJPYの力によって、不動産賃貸業界はより効率的で透明性のあるビジネスへと変わり、ステークホルダーたちは新たな未来への扉を開いたのでした。

▶ DCJPYの未来・不動産賃貸取引編　解説

不動産賃貸業における賃貸物件の管理・仲介は、人と人とをつなぐ仕事です。マンションやアパート、戸建住宅を媒介としながらも、つなげるのはあくまで人の想い。手持ちの資産を有効活用したいオーナーと、生活の基盤を確保したい入居希望者との間に立ち、物件を介してそれぞれのニーズをマッチングさせるのが、不動産仲介会社、不動産管理会社に求められる本来の役割だと私たちは考えています。

ただ、現実はそうシンプルではありません。契約業務やルーティンワーク、とりわけ入居者から振り込まれた、後に売上金となる初期費用や月次家賃の分配業務がボトルネックとなり、不動産管理会社がオーナーや入居者と向き合える時間が限られてしまっているからです。

DCJPYによる決済は、不動産賃貸ビジネスのこうした現状を劇的に改善し、不動産賃貸業界の構造そのものを大きく変えていきます。

ヒューマンエラーリスクを孕む、不動産賃貸ビジネスの課題

不動産賃貸ビジネスは、オーナーと入居者、不動産管理会社に加え、「付帯業者」と呼ばれる不動産仲介会社、火災保険を取り扱う保険会社、家賃保証会社など、多くのステークホルダーによって成り立っています。前述のとおり、そうしたステークホルダーへ売上金を分配するのも、不動産管理会社の業務の一つです。

例えばマンションの賃貸借契約が締結され、入居者が敷金や礼金、家賃、保険料、仲介手数料等を初期費用として支払った際、それらは一度まとめて不動産管理会社の銀行口座にプールされます。その後入居者から受け取った初期費用を、保険料は保険会社、礼金はオーナー等ステークホルダーごとに金額に間違いがないかチェックをし、それぞれ別の銀行口座へと振り込まなければなりません。

不動産管理会社におけるこうした売上金の分配業務は、基本的に人の手と目に委ねられているため、常にヒューマンエラーの起きるリスクを孕んでいます。また、月末締めの翌末払い等の商習慣に伴う入金と着金の期間ギャップにより、初期費用や月次家賃が各ステークホルダーのもとへと届くのが１ヵ月先、２ヵ月先になっています。

この煩雑でリスクを孕む業務と期間ギャップによる金流のボトルネックが不動産賃貸ビジネスの大きな課題であり、それを解消するのがDCJPYを用いた商取引です。

複数者間の即時決済・即時分配を可能にするプログラマブルマネーDCJPYは、取引・決済にともなうさまざまな条件をブロックチェーン上に定義（プログラム化）することが可能です。不動産賃貸物件のオーナーと入居者、付帯業者を含めたステークホルダーそれぞれがDCJPY口座を開設し、口座間でDCJPYが移転する条件と金額をプログラムとしてあらかじめルール化しておけば、複数者間における売上金の即時決済、即時分配が実現します。

例えば初期費用の移転の条件として賃貸借契約の締結をプログラムしておくと、入居予定者がスマートフォンアプリで賃貸借契約書にサインした瞬間、それがトリガーとなってステークホルダーそれぞれの口座へ決められた額の売上金がDCJPYとして入金されます。

不動産管理会社による分配業務や振込行為そのものが発生しないので、金額の間違いや送金の際のチェックミスといったヒューマンエラーも起こり得ません。

同様に毎月の家賃の分配についても、決済日と金額をあらかじめプログラムとしてルール化しておくことにより、毎月決められたタイミングに決められた金額のDCJPYが、各ステークホルダーの口座へリアルタイムに分配されます。

業務のスリム化と本質化が業界構造を抜本的に変革する

その結果として不動産管理会社の煩雑な作業はなくなり、賃貸物件の確保や既存オーナーとの面談・新規オーナー開拓といった、より本質的な業務へリソースを充てることが可能になります。DCJPYによる売上金の即時決済・即時分配によって、不動産管理会社本来の人と人をつなぐ仕事へフォーカスできるようになるというわけです。

また、こうした即時決済、即時分配の恩恵を受けられるのは、不動産管理会社だけではありません。未収保証料等の未回収リスクが大幅に削減され、付帯業者も契約成立時に売上金を即時回収できるためキャッシュフローが大幅に向上し、経営体質が改善することでしょう。　

その結果、不動産賃貸業界のビジネス構造だけでなく、全ステークホルダーを跨いだ業界構造そのものが大きく変革されるでしょう。

それがDCJPYによってもたらされる、不動産賃貸ビジネスの少し先の未来です。

※本稿は現時点で考え得るデジタル通貨DCJPYが未来社会にもたらす可能性を示したものです。