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3分でわかるデジタル通貨DCJPY~プロダクト技術・アーキテクチャ/法的裏付け編~


こんにちは。
ディーカレットDCPのDE BEYOND編集部です。

ホワイトペーパー「“DCJPY” White Paper 2023」のダイジェスト版をお届けしながら、私たちが提供する「デジタル通貨DCJPY(仮称)」(以下、DCJPY)にスポットを当てる本シリーズ。第3回目のテーマは、DCJPYネットワークの技術とアーキテクチャです。

デジタル通貨は私たちの消費行動、経済活動を支えるツールなので、まず価値が安定していることが大前提となりますが、その他にもアクセス集中や災害によるシステム障害、サイバー攻撃など、サービス化あたってはさまざまな課題への対応が欠かせません。

DCJPYネットワークがこうした課題をどういった技術でカバーしているのか、銀行預金をデジタル化するDCJPYネットワークの法的な裏付けも合わせて、技術責任者(CTO)の清水健一が解説します。

DCJPYネットワークの全体構成

まず、DCJPYネットワークが技術的にどういった仕組みになっているのか、全体像から見ていきましょう。

DCJPYネットワークは、フィナンシャルゾーン、ビジネスゾーンそれぞれにプロダクトに欠かせない機能をパッケージ化した「Core Package」と、事業者や銀行がDCJPYネットワークに接続するうえで必要な個社ごとの機能をまとめた「BPM(Business Process Management)」で構成されています。

「Core Package」には、サービス管理やデータ管理といった重要なコンポーネントがマイクロサービスとして独立し、APIを通じて連携します。また、これらとあわせてサービスアップデートなどパッケージ全体の運用に必要な機能はPackage Managerとして、ブロックチェーンの暗号鍵とIBC(Inter-Blockchain Communication:ブロックチェーン間通信)を管理する機能は、それぞれWallets Manager、IBC Managerとしてユーザへ提供されます。

一方、BPMでは事業者がアカウントやDCJPYの残高の管理方法を個別にカスタマイズしたり、銀行が利用している金融系システムとDCJPYネットワークを連携させたりする機能を追加することが可能です。

この2つを組み合わせることによって、ネットワークの安全性を保ちつつ、自社のルールや業務体制にあわせてDCJPYを柔軟に運用していくことができます。

パフォーマンス低下とシステムエラーを防ぐ仕組み

前述の通り、「Core Package」は、独立したマイクロサービスによって構成されています。DCJPYネットワークはこのマイクロサービスアーキテクチャを活用し、コンテナオーケストレーションサービスとイベント駆動型コンピューティングサービスを組み合わせることで、特定のサービスにアクセスが集中した際にもリソースが自動的に拡張され、パフォーマンスの低下を防ぐ仕組みを構築しています。

やや技術的な話になりますが、ユーザのアクセスが1つのサービスに集中し、負荷が高まった場合、まずコンテナオーケストレーションサービスがコンテナ*1 のPod*2 を増やします。あわせて、イベント駆動型コンピューティングサービスが必要なコンピュータリソースを供給し、データ容量にあわせて拡張させていきます。

*1コンテナ:ソフトウェアサービスの実行に必要なコマンドやライブラリをまとめたパッケージ・仮想マシン。
*2Pod:コンテナの最小管理単位

シンプルに言えば、需要にあわせてシステムのキャパシティ・パフォーマンスを自動的に制御して、DCJPYネットワークを安定稼働させています。この仕組みによって人の手を介することなく、ネットワーク全体のパフォーマンス低下とシステムエラーを未然に防いでいます。

なお、10月12日に発行したホワイトペーパーでは、DCJPYネットワークの構成や性能・拡張性についてさらに詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。

セキュリティとBCP対策

続いてセキュリティについて見ていきましょう。デジタル通貨を安心安全に利用してもらうには、ネットワークの安定稼働とあわせて、機密性の確保や事業継続計画(BCP)対策も欠かせません。

DCJPYネットワークはネットワークの機密性・安全性にコミットするため、金融機関のシステム部門などが対応している「FISC安全対策基準」をセキュリティガイドラインをベースにし、通信の暗号化やシステムアクセス時の入退室管理といった運用までを含めたセキュリティ対策を行っています。

また、外部からの不正侵入やサイバー攻撃への対策として、ファイアウォール、侵入検知アラートなど、複数の機能を組み合わせた多層防御体制を敷いています。

一方、BPC対策としては国内2ヵ所のリージョン(ロケーション)に物理的な間隔を空けて複数のデータセンターを構築しており、データセンター同士は専用ファイバーケーブルによる相互通信が可能です。

さらにバックアップサイトには、リージョンと同じデータが蓄積されているため、速やかにシステム基盤を再構築することができ、大規模な災害が起きた場合も取引・決済への影響を最小限に抑えられます。

許認可を問わず誰もが利用できるDCJPYネットワーク

最後はDCJPYネットワークの法的な裏付けについてです。口座預金をデジタル化するDCJPYネットワークが現在の日本の法律上どのように位置付けられるか簡単にご紹介します。

前回お伝えしたとおり、DCJPYネットワークのビジネスゾーンで商品やサービスの取引に使われたデジタル通貨(DCJPY)の情報は、フィナンシャルゾーンへと伝達されます。これにより2つのゾーンでデータが同期して決済されます。この時お金の実体として動くのは、フィナンシャルゾーンのDCJPYです。

つまり、別の言い方をすれば、ビジネスゾーンのデジタル通貨(DCJPY)は「お金の移動を指示するツール」であって、銀行法の取り決め上、電子決済等代行業者(電代業)のライセンスを持たない企業や個人がこれを使って口座預金を動かすことはできません。

この問題を解決するのが、私たちが持つ独自の特許技術です。ディーカレットDCPは2022年11月に事業者がデジタル通貨の運用を簡便に行うための技術として、「二層構造デジタル通貨の価値移転システム」という特許(PAT.7169420)を取得しました。

この特許技術とディーカレット自身の保有する電代業の組み合わせにより、一般の企業や個人もDCJPYを商品やサービスの取引に使い、ビジネスゾーンにビジネス取引空間を構築していくことが可能になります。

私たちはこのサービスを皆さまにしっかり届けられるよう、2024年7月の商用化に向けて、引き続きDCJPYネットワークの開発を進めていきます。

本ホワイトペーパーではプロダクト技術・アーキテクチャに関してさらに詳しく説明しております。ぜひご覧ください!

「“DCJPY” White Paper 2023」は以下ポータルサイトからダウンロード頂けます。
今後もさらに情報と実践の両面からデジタル通貨の世界を探求できる場を随時公開していきます。


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