【note記事まとめ】ブロックチェーン
デジタル通貨の基盤技術であるブロックチェーン。
先日、そんなブロックチェーンについて少しでも理解を深めていただければと、ブロックチェーンのデータ構造について、少し専門性の高い領域まで踏み込んだ解説記事をお届けしました。
しかし、ブロックチェーンは非常に奥深く、一朝一夕では語り尽くせません。そこで今回は、noteに発信されている特徴的なブロックチェーン記事をまとめてみました。
「DE BEYOND」とは異なる視点でそれぞれ発信しているので、また別の角度からブロックチェーンについて知ることで新たな発見があると思います!
ブロックチェーンの構造や技術
二瓶鮎人さんが執筆当時のオススメの入門書をベースに、全体的なブロックチェーンの機能的特徴や構造、応用領域や可能性について優しく解説しております。おそらく執筆時はブロックチェーン初心者であった二瓶鮎人さんとともに楽しく学ぶことができますよ。
金融やITのリテラシーを中心にいろいろな記事を書かれているATさんのブロックチェーン関連記事のまとめです。歴史から関連技術までカテゴリーで分かれているので、気になるキーワードから読むことができます◎
冒頭でご紹介したとおり、ブロックチェーンの構造説明については「DE BEYOND」でも掲載しておりますので併せてご覧ください。
ビジネス・社会課題への活用例
小売業界
国内外で期待されている「Web3.0(ウェブスリー)」の実現に向け、ブロックチェーンを活用した国内外の事例を交えて、東芝テックCVCさんが小売業界の最新動向をレポートしております。
「食品の安全性」や「健康問題」、「サプライチェーンの透明化」が社会でより求められているといった調査結果を紹介しながら、社会課題に対するブロックチェーンの可能性にも言及しています。
デロイト トーマツ 執行役員の森正弥さんが、コロナ禍であぶり出されたグローバル・サプライチェーンの課題と、解決に向けたブロックチェーンのポテンシャルについて触れています。
世界経済フォーラム(WEF)がパンデミック後の景気回復プロセスにブロックチェーンが寄与するといった公式見解を発表した一方、バズワードとして普及してしまったブロックチェーンの問題も指摘しています。
フードテック
DeNA Co., Ltd.の緒方文俊さんはブロックチェーンやWeb3に関する良質なユースケースを業界横断的に発信しているお一人です。その一つである食のトレーサビリティとレシピ・食材・家電をつなぐ「キッチンOS」のアイデアについて書かれた記事をピックアップしました。
キッチンOSは、レシピ情報を核に調理家電やネットショッピングをシームレスにつなげることを目的に開発された「共通OS」にさまざまな企業が参加してデータ共有しています。そのため、"食のGAFA”とも呼ばれているのだとか。IoT(Internet of Things)など、モノやコトがスマートにインターネットでつながっていく興味深い事例の一つです。
地方創生・エンタメ・証明書領域での活用例
シェアリングエコノミー・地方創生
先ほども登場したDeNA Co., Ltd.の緒方文俊さんの、今回は地方創生へのブロックチェーンの活用例の記事を取り上げたいと思います。
緒方さんも言及されているように"お金に換算できない価値を換算できる”というのがブロックチェーンのメリットの一つです。地域ならではの価値を交換できる地域通貨の取り組みや、人を介さずに取引を実行できるシェアリングエコノミーなど、送金やビジネスとはまた異なる角度からブロックチェーンについて知ることができます。
シェアリングエコノミーや地方活性化施策については、「DE BEYOND」でも一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事の石山アンジュさんと、Next Commons Lab代表の林篤志さんにインタビューさせていただきました。併せてご覧ください!
ブロックチェーンゲーム
エンタメ領域では、株式会社GaudiyでBizDev / Data AnalysのRyosuke Fujiwaraさんのブロックチェーンゲームの記事をご紹介します。さまざまな領域に応用されているブロックチェーンですが、デジタル世界の一部を成しているゲーム業界は"本丸”の一つとも言えます。
「Play to Earn」や「Move to Earn」といった言葉も生まれるほど盛り上がっている世界のブロックチェーンゲームTOP50から見えた最新の傾向についての詳細な分析を披露しています!
デジタル証明書
次は、Web3プランナー/STEPN9足のモリプト タツヤさんによるブロックチェーン証明書の可能性について解説した2本の記事です。
一つが、ビジネスSNS・LinkedInで発生したプロフィール偽造問題に対してブロックチェーンの行動履歴・評価履歴をエビデンスとして使えるのではないかという可能性を模索した記事。もう一つが、23年4月から公式導入が発表されたTOEICテストのデジタル公式認定証に関するニュースです。
デジタル証明書に関しては、大学のブロックチェーン卒業証明書がマサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード大学、日本では千葉工業大学らがすでに発行していました。しかし、新しい技術がゆえに使い方が限定的だったり、他人の証明書も自分のウォレットに技術的には入れることができるなどの課題があるようです。
ブロックチェーンと権利・倫理
クリエイターエコノミーと著作権
経済産業省「ブロックチェーン技術を活用したコンテンツビジネスに関する検討会」で副座長を務められ、当社が事務局である「デジタル通貨フォーラム」のアドバイザリーもしていただいている増島雅和さんは、ブロックチェーンにおけるデジタル上の著作権利用の新たな可能性を提示します。
これまで、デジタルコンテンツに関しては無許可の使用・複製を禁止する著作権があるにもかかわらず、コピー行為を規制するのは難しいのが実情でした。また、アートなどはプライマリー(一次市場)で売買された後に転売されるセカンダリー(二次市場)以降の取引に関しては、作者にお金が入らないというのが問題でした。
ブロックチェーンは、デジタルコンテンツの著作権問題を解決できる可能性を秘めています。そんななか増島さんは、例えば作曲した曲に対して「30%を支払ってくれば自由に作品を引用・翻案しても構わない」というルールをブロックチェーンで定めることで、デジタルコンテンツが発展的に利用され得るのではないかといった一歩踏み込んだアイデアを示しています。
哲学・倫理
最後は、元日経BP社で編集長を務め、現在はITジャーナリストとして活躍されている星 暁雄さんの記事です。Tech系商業メディア「InfoQ」に掲載されたSebastian Porsdam Mann氏の記事「コインの両面:ブロックチェーン、倫理、人権」が展開する“ブロックチェーンの倫理的二面性”といった深淵な議論を丁寧に解き明かしています。
「コインの両面」であるブロックチェーンの倫理的二面性というのは、「ビットコインは悪だ("Bitcoin Is Evil")」という記事で指摘されたような犯罪者らに悪用され得る側面がある反面、世界食糧計画(WFP)が飢餓ゼロのためにブロックチェーンを活用したように、社会善を促進する目的で使われるケースの両面があるということです。
これは伝統的に行われてきた倫理学の議論と酷似しており、この難解な「問い」を考えるヒントとして、時代を越えて生き残った倫理フレームワークを出して論じていきます。哲学の議論なので多少難解ではありますが、ブロックチェーンだけでなく、チームビルディングや対人関係の課題に対して新たな気づきを与えてくれると思います。