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ハナエ:こんにちは。本日はデジタル通貨開発の最前線にいる清水さんに、実際のプロダクト開発についてお伺いしたいと思います。そもそも清水さんがデジタル通貨に興味をもったのはなぜですか? 清水健一(以下、清水):これまではエンジニアとして多数企業に携わってきましたが、ディーカレットDCPの「あらゆる通貨と価値の役割をデジタル化し、豊かな社会創りに貢献します」というビジョンに共感し、2020年11月にデジタル通貨事業に参画したのがきっかけです。 多様な価値観を統一したお金ハナエ
独立しつつもつながり合う世界観ハナエ:前回のお話にあった、“お互いが独立し、かつ、つながり合う世界観”とは? 清水健一(以下、清水):前回、みんなが共通認識可能な価値がお金で、お金という価値を使って新たな価値を生み出すことを目的に二層構造に分けているという話をしました。 そのために、お金をデジタル通貨に変換して動かし管理する領域と、さまざまな情報やモノ=価値を生み出して取引されるサービスの領域を定義しており、それぞれ共通領域、付加領域と呼んでいます。 ハナエ:それが
ハナエ:異なる価値観のネットワーク経済圏をつなぎ合わせるのが最大の難所ということでしたが? 清水健一(以下、清水):そうです。なぜなら、それぞれ規格が異なるものをつなげたり、駆動させたりすることは非常に難しいからです。それは、デジタルの世界だけでなく物の製造など何でも言えることです。 ハナエ:物理的に規格が合わないという方が想像しやすいですが、デジタル上でも難しいのでしょうか? 清水:目に見えないので一般の方には理解しづらいと思いますが、非常に難しいです。少し技術
少数精鋭のクリエイティブなプロフェッショナル集団ハナエ:プロダクト開発グループでは独自のマネジメント手法を取り入れているとのことですが、その点を詳しく教えていただけますか? 清水健一(以下、清水):独自かどうかはわかりませんが(笑)。デジタル通貨事業の立ち上げにともない、エンジニアもイチから採用しているため、エンジニア一人ひとりの強みが最大限に活かせるチームにしたいとは考えています。 現在は、アプリケーションを開発するソフトウェアエンジニアと、ブロックチェーンやクラウド
ハナエ:山岡さん、こんにちは。日銀の頃から最先端の決済インフラを見てこられた山岡さんに、デジタル通貨に関して本日はいろいろと伺っていきたいと思います。 山岡浩巳(以下、山岡):はい、宜しくお願いします。 デジタル通貨が生まれた背景ハナエ:そもそもなぜ、デジタル通貨が必要なのでしょうか? 山岡:これまでの通貨インフラは、現金に代表される紙の技術に基づいていました。しかし、ブロックチェーンや分散型台帳といった新しい分散型のデジタル技術が登場するなか、紙の技術に基づいてい
CBDCと民間銀行デジタル通貨の違いハナエ:中央銀行デジタル通貨(CBDC)と民間銀行デジタル通貨の大きな違いは何でしょうか? 山岡浩巳(以下、山岡):一番大きな違いは中央銀行が直接債務者になるか、そうではないかということです。一方、安全性の面ではあまり大きく変わらないと言えます。 ハナエ:どういうことでしょうか? 山岡:例えば、中央銀行の通貨というのはいわゆる信用リスクがありません。信用リスクとは、倒産などで債務不履行(デフォルト)に陥り、お金が回収できずに損失を
データガバナンスとセキュリティハナエ:デジタル情報は便利である反面、情報が盗まれる危険性と隣り合わせの関係だと思いますが、セキュリティはどのように担保される想定ですか? 山岡浩巳(以下、山岡):これは非常に難しい問題で、特に中央銀行デジタル通貨(CBDC)においてはデリケートです。もしCBDCが国民全員が決済に利用する「一般利用型」で発行された場合、日々の細かい消費行動が全て中央銀行に集約される可能性があります。 そこまで中央銀行が介入していいのかという問題と、民間で活