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ハナエと探るデジタル通貨

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そもそも「デジタル通貨」とは?キャッシュレスや暗号通貨とは何が違うの?といった基礎的な部分から未来社会にどういった波及効果があるのかなど、ハナエがナビゲーターを務めながら、初心者… もっと読む
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【DE BEYOND記事まとめ】デジタル通貨入門編

こんにちは。 夏バテ対策で、毎日アイスとヤクルト1000を飲んでいるハナエです!🍨 現在は35度を超える猛暑日が続いておりますので、水分補給をこまめに行うなど、熱中症にはくれぐれもお気をつけください! 「DE BEYOND」を読んでくださっている皆さま、いつも本当にありがとうございます。読者の皆さまがどんどん増えていることを大変嬉しく思っております。 皆さまからのご愛読と応援のおかげで、立ち上げてから現時点で57本の記事を掲載することができ、コンテンツの充実が進んでおりま

「お金のデジタル化」とは何か?

ハナエ:時田さん、こんにちは。デジタル通貨について日々、学んではいるものの、まだ難しい部分がありまして…今回はいろいろ質問させてください! 時田一広(以下、時田):ハナエさん、全くそんな感じに見えなかったけどね。では、何から話しましょうか? デジタル通貨とキャッシュレスの違いハナエ:そうですね、それでは改めて「デジタル通貨」について基本から教えてください。正直、クレジットカードやキャッシュレス決済*1(以下、キャッシュレス)と何が違うんですか? 時田:確かに分かりにくい

意外とアナログなキャッシュレス決済の仕組み

ハナエ:前回のお話でネットバンキングやキャッシュレスは、本格的なデジタル化という面では一歩及ばない…とのお話でしたが? 時田一広(以下、時田):そうなのです。今回は、代表的なクレジットカードの仕組みから説明していきますね。 キャッシュレスの仕組み - クレジットカード編 -時田:例えば、Aさんが薬局で1,000円の薬をクレジットカードで購入したとします。しかし、Aさんが薬局に直接支払っているわけではありませんね。 時田:つまりクレジットカード会社は、加盟店に対しての送金

デジタル通貨で私たちの生活の何が便利になる?

ハナエ:同じ“デジタルマネー”でも、裏の仕組みはデジタル化されていなかったわけですね。でもデジタル通貨で、私たちの生活の何が具体的に変わるのですか? 時田一広(以下、時田):では実際の生活の変化について、分かりやすい例でお伝えしていきますね。 20万円の給料が振り込まれました - これまで -時田:給料日に20万円支払われたとします。ハナエさんなら、まず何をしますか? ハナエ:毎月の引き落とし口座が複数あるのでそれぞれの口座にお金を移します。それから生活費などを抜いて、

Web2.0からWeb3というデジタル世界への移行

さまざまな「価値」のデジタル化が進むハナエ:デジタル通貨で私たちの社会はどう変わりますか? 時田:端的に言うと、本格的にデジタル化が進みます。インターネット上でお金を動かそうとした時に、その相対となる商品もデジタル化していた方が良いからです。 ハナエ:デジタル化しているとなぜ良いのでしょうか? 時田:ハナエさんは、なぜお金を使いますか? ハナエ:生活に必要だったり、便利になったり、豊かになると思うからですかね? 時田:つまり、お金と交換する“価値”があるから、対価と

世界のデジタル通貨事情、日本のポテンシャルと課題

「暗号資産」「CBDC」では周回遅れハナエ:世界から見て、日本のデジタル化やデジタル通貨はどのぐらい進んでいるのですか? 時田:まず、「暗号資産」の分野では日本は遅れています。なぜなら、2018年に暗号資産の取引所であるコインチェックがハッキングされ、580億円相当の暗号資産が盗まれました。その結果、いろいろな制度上の規制が強化され、すっかり勢いを失いました。 ハナエ:私の周りでも、あのタイミングでいったん手を引いた人は多かったです。 時田:それに対して、法定通貨をデジ

未来のお金をつくる、ディーカレットDCPのプロダクト理念

ディーカレットDCPのゴールとビジョンハナエ:Web3へと移行するなか、ディーカレットDCPが創造している未来を教えていただけますか? 時田:Web3へとデジタル化が進むのはもはや誰も止めることができないことです。そのなかで、ディーカレットDCPとしては次のゴールとビジョンを掲げています。 つまり、誰でも、どの世代でも使えるデジタル通貨のプラットフォームを構築することです。 時田一広が「デジタル通貨」に出会うまで 時田:私がデジタル通貨をつくらなければと思ったのは、これ

お金の価値と役割とは?

ハナエ:こんにちは。本日はデジタル通貨開発の最前線にいる清水さんに、実際のプロダクト開発についてお伺いしたいと思います。そもそも清水さんがデジタル通貨に興味をもったのはなぜですか? 清水健一(以下、清水):これまではエンジニアとして多数企業に携わってきましたが、ディーカレットDCPの「あらゆる通貨と価値の役割をデジタル化し、豊かな社会創りに貢献します」というビジョンに共感し、2020年11月にデジタル通貨事業に参画したのがきっかけです。 多様な価値観を統一したお金ハナエ

個別の価値が重なり生まれる、新たな経済圏

独立しつつもつながり合う世界観ハナエ:前回のお話にあった、“お互いが独立し、かつ、つながり合う世界観”とは? 清水健一(以下、清水):前回、みんなが共通認識可能な価値がお金で、お金という価値を使って新たな価値を生み出すことを目的に二層構造に分けているという話をしました。 そのために、お金をデジタル通貨に変換して動かし管理する領域と、さまざまな情報やモノ=価値を生み出して取引されるサービスの領域を定義しており、それぞれ共通領域、付加領域と呼んでいます。 ハナエ:それが

唯一無二のデジタル通貨をつくる開発技術

ハナエ:異なる価値観のネットワーク経済圏をつなぎ合わせるのが最大の難所ということでしたが? 清水健一(以下、清水):そうです。なぜなら、それぞれ規格が異なるものをつなげたり、駆動させたりすることは非常に難しいからです。それは、デジタルの世界だけでなく物の製造など何でも言えることです。 ハナエ:物理的に規格が合わないという方が想像しやすいですが、デジタル上でも難しいのでしょうか? 清水:目に見えないので一般の方には理解しづらいと思いますが、非常に難しいです。少し技術

自律分散型で、クリエイティブなマネジメント

少数精鋭のクリエイティブなプロフェッショナル集団ハナエ:プロダクト開発グループでは独自のマネジメント手法を取り入れているとのことですが、その点を詳しく教えていただけますか? 清水健一(以下、清水):独自かどうかはわかりませんが(笑)。デジタル通貨事業の立ち上げにともない、エンジニアもイチから採用しているため、エンジニア一人ひとりの強みが最大限に活かせるチームにしたいとは考えています。 現在は、アプリケーションを開発するソフトウェアエンジニアと、ブロックチェーンやクラウド

2022年度版 デジタル通貨の世界的潮流

ハナエ:山岡さん、こんにちは。日銀の頃から最先端の決済インフラを見てこられた山岡さんに、デジタル通貨に関して本日はいろいろと伺っていきたいと思います。 山岡浩巳(以下、山岡):はい、宜しくお願いします。 デジタル通貨が生まれた背景ハナエ:そもそもなぜ、デジタル通貨が必要なのでしょうか? 山岡:これまでの通貨インフラは、現金に代表される紙の技術に基づいていました。しかし、ブロックチェーンや分散型台帳といった新しい分散型のデジタル技術が登場するなか、紙の技術に基づいてい

中央銀行・民間銀行デジタル通貨は共存できる?

CBDCと民間銀行デジタル通貨の違いハナエ:中央銀行デジタル通貨(CBDC)と民間銀行デジタル通貨の大きな違いは何でしょうか? 山岡浩巳(以下、山岡):一番大きな違いは中央銀行が直接債務者になるか、そうではないかということです。一方、安全性の面ではあまり大きく変わらないと言えます。 ハナエ:どういうことでしょうか? 山岡:例えば、中央銀行の通貨というのはいわゆる信用リスクがありません。信用リスクとは、倒産などで債務不履行(デフォルト)に陥り、お金が回収できずに損失を

デジタル通貨界の“ファーストペンギン”になるには!?

データガバナンスとセキュリティハナエ:デジタル情報は便利である反面、情報が盗まれる危険性と隣り合わせの関係だと思いますが、セキュリティはどのように担保される想定ですか? 山岡浩巳(以下、山岡):これは非常に難しい問題で、特に中央銀行デジタル通貨(CBDC)においてはデリケートです。もしCBDCが国民全員が決済に利用する「一般利用型」で発行された場合、日々の細かい消費行動が全て中央銀行に集約される可能性があります。 そこまで中央銀行が介入していいのかという問題と、民間で活