マガジンのカバー画像

ハナエと探るデジタル通貨

14
そもそも「デジタル通貨」とは?キャッシュレスや暗号通貨とは何が違うの?といった基礎的な部分から未来社会にどういった波及効果があるのかなど、ハナエがナビゲーターを務めながら、初心者… もっと読む
運営しているクリエイター

2023年2月の記事一覧

自律分散型で、クリエイティブなマネジメント

少数精鋭のクリエイティブなプロフェッショナル集団ハナエ:プロダクト開発グループでは独自のマネジメント手法を取り入れているとのことですが、その点を詳しく教えていただけますか? 清水健一(以下、清水):独自かどうかはわかりませんが(笑)。デジタル通貨事業の立ち上げにともない、エンジニアもイチから採用しているため、エンジニア一人ひとりの強みが最大限に活かせるチームにしたいとは考えています。 現在は、アプリケーションを開発するソフトウェアエンジニアと、ブロックチェーンやクラウド

2022年度版 デジタル通貨の世界的潮流

ハナエ:山岡さん、こんにちは。日銀の頃から最先端の決済インフラを見てこられた山岡さんに、デジタル通貨に関して本日はいろいろと伺っていきたいと思います。 山岡浩巳(以下、山岡):はい、宜しくお願いします。 デジタル通貨が生まれた背景ハナエ:そもそもなぜ、デジタル通貨が必要なのでしょうか? 山岡:これまでの通貨インフラは、現金に代表される紙の技術に基づいていました。しかし、ブロックチェーンや分散型台帳といった新しい分散型のデジタル技術が登場するなか、紙の技術に基づいてい

中央銀行・民間銀行デジタル通貨は共存できる?

CBDCと民間銀行デジタル通貨の違いハナエ:中央銀行デジタル通貨(CBDC)と民間銀行デジタル通貨の大きな違いは何でしょうか? 山岡浩巳(以下、山岡):一番大きな違いは中央銀行が直接債務者になるか、そうではないかということです。一方、安全性の面ではあまり大きく変わらないと言えます。 ハナエ:どういうことでしょうか? 山岡:例えば、中央銀行の通貨というのはいわゆる信用リスクがありません。信用リスクとは、倒産などで債務不履行(デフォルト)に陥り、お金が回収できずに損失を

デジタル通貨界の“ファーストペンギン”になるには!?

データガバナンスとセキュリティハナエ:デジタル情報は便利である反面、情報が盗まれる危険性と隣り合わせの関係だと思いますが、セキュリティはどのように担保される想定ですか? 山岡浩巳(以下、山岡):これは非常に難しい問題で、特に中央銀行デジタル通貨(CBDC)においてはデリケートです。もしCBDCが国民全員が決済に利用する「一般利用型」で発行された場合、日々の細かい消費行動が全て中央銀行に集約される可能性があります。 そこまで中央銀行が介入していいのかという問題と、民間で活