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有識者対談・インタビュー

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Web3への移行が本格化する世界において、より良い社会の実現に向けてチャレンジしているキーマンや有識者の方々とデジタル技術が未来社会について自由に語り合う対談コンテンツ。ディーカ… もっと読む
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#デジタル

デジタルテクノロジーが可能にする「ネクストコモンズ」のつくり方

こんにちは、「デジタル決済の未来をツクル」ディーカレットDCPのハナエです。 早いことに4月に入り各所で桜が満開になりましたね。 皆さんはお花見されましたでしょうか?🌸 季節の変わり目なので体調には気をつけてお過ごしください! ところで、皆さんは「消滅可能性都市」って聞いたことありますか? 最近では、人口減少が進んだせいで「行政サービスを維持できない!」という自治体も増えているんだとか…。 Next Commons Labの林篤志さんは、デジタル技術を駆使した「日本の新し

デジタル通貨が”なめらかに”ひらく、 コミュニティ運営のプルラリティ(多元性)

こんにちは、ディーカレットDCPのハナエです。 前回に引き続き、デジタル技術を駆使した「日本の新しいローカルコミュニティ」をデザインするNext Commons Labの林篤志さんにお話を伺っていきます。 新しいコミュニティ運営にブロックチェーンが必要不可欠! でも、実際、何にどうやって役立つんだろう? 新潟県旧山古志村のNFT活用事例を紹介しながら、ブロックチェーンが変えていく価値観・お金の流れ・コミュニティ運営のあり方を分かりやすく解説してもらいました。 旧山古志村

新しいライフスタイルの実現に向けて、デジタル通貨ができること

こんにちは、ディーカレットDCPのハナエです。 今回も、デジタル技術を駆使した「日本の新しいローカルコミュニティ」をデザインするネクストコモンズラボの林篤志さんにお話を伺っていきます。 前回はブロックチェーンが変えていく価値観・お金の流れ・コミュニティ運営のあり方を分かりやすく解説してもらいました。 今回はさらに、デジタル通貨が可能にする「共助」や新しい暮らしのあり方についてお話を伺っていきます。 デジタル通貨が真価を発揮するためには—— 林さんの鋭いご指摘に、時田さん

“シェアリングエコノミー”が世界的に進む背景と潮流

なぜ、今、“シェアリングエコノミー”なのか?ハナエ:そもそも「シェアリングエコノミー」って何なのでしょうか? 石山アンジュ(以下、石山):実はシェアリングエコノミー自体に確固たる定義は存在しないんですよ。何がシェアリングエコノミーで、何がそうでないかという線引きはとても難しい。日本でいう「お裾分け」も広義のシェアリングエコノミーだと言えます。ただ、インターネットを通じて「お裾分け的な個人間の取引」が現れはじめたのが2008年頃です。アメリカでAirbnbが生まれ、どんどん市

デジタル通貨はシェアリングエコノミーを加速させる!?

少額決済のコストと手間時田一広(以下、時田):さまざまなシェアリングエコノミーのビジネスモデルがあるとのことですが、少額決済のことで困っていることってありますか?あるいは、支払いの手間やコストの面などでも。 石山アンジュ(以下、石山):あると思いますね。少額の取引が多いので、例えば企業が500円しか売り上げがないのに振込手数料などを支払わなくてはならない。 また個人の場合、アプリ上で500円の売り上げがあったとしても、その程度であれば換金するまでもなく放っておきます。する

シェアリングエコノミーとデジタル通貨が開拓するフロンティア

可視化される「見えなかった価値」石山アンジュ(以下、石山):シェアリングエコノミーの仕組み自体は、使い方次第で良くも悪くも機能します。つまり、より安く他者の労力を使いたいという目的でシェアリングエコノミーを運営・利用することもできてしまう。なぜなら、価格を決める主体が企業ではないからです。しかし、私が視察をしてきたなかで、逆に良いところもたくさん見てきました。 石山:例えば、80代のおばあちゃんがAirbnbで貸し出している宿泊先では、おばあちゃん心を込めて掃除して、すごく

人口減少社会に必要な「信用ある基盤」とは?

人口減少社会のポイントは「余計なことに人手を割かない」時田一広(以下、時田):デジタル通貨の最大の特徴は「自分でお金に機能を付けることができる」という点にあります。例えば、今日は天気がいいからジュースの値段を少し上げようとか、夜は電車の利用客が少ないからその時間帯は運賃を下げて宣伝をして集客を上げようとか、そういった「機能」をお金にプログラミングによって付けることができます。 河合雅司(以下、河合):なるほど。お金の移動だけでなく、状況に応じて値段を変動させたり、個別の機能

人口減少社会でも豊かに暮らすための未来への処方箋

人口減少社会における暮らしの変化 河合雅司(以下、河合):今、日本は人口減少問題のトップランナーと言えます。ですから、これまでのように海外をロールモデルのようにすることはできません。ここからの20年は高齢化が深刻化し、さらにその後の20年は毎年90万人近く減っていく人口激減期に突入します。 毎年、仙台市ひとつ分くらいの人口が失われていく。さらにいうと、今後のマーケットは縮小するだけでなく高齢化もしていきますから、モノの消費量は二重の意味で減っていくことになります。日本がその