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有識者対談・インタビュー

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Web3への移行が本格化する世界において、より良い社会の実現に向けてチャレンジしているキーマンや有識者の方々とデジタル技術が未来社会について自由に語り合う対談コンテンツ。ディーカ… もっと読む
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2023年3月の記事一覧

“シェアリングエコノミー”が世界的に進む背景と潮流

なぜ、今、“シェアリングエコノミー”なのか?ハナエ:そもそも「シェアリングエコノミー」って何なのでしょうか? 石山アンジュ(以下、石山):実はシェアリングエコノミー自体に確固たる定義は存在しないんですよ。何がシェアリングエコノミーで、何がそうでないかという線引きはとても難しい。日本でいう「お裾分け」も広義のシェアリングエコノミーだと言えます。ただ、インターネットを通じて「お裾分け的な個人間の取引」が現れはじめたのが2008年頃です。アメリカでAirbnbが生まれ、どんどん市

デジタル通貨はシェアリングエコノミーを加速させる!?

少額決済のコストと手間時田一広(以下、時田):さまざまなシェアリングエコノミーのビジネスモデルがあるとのことですが、少額決済のことで困っていることってありますか?あるいは、支払いの手間やコストの面などでも。 石山アンジュ(以下、石山):あると思いますね。少額の取引が多いので、例えば企業が500円しか売り上げがないのに振込手数料などを支払わなくてはならない。 また個人の場合、アプリ上で500円の売り上げがあったとしても、その程度であれば換金するまでもなく放っておきます。する

シェアリングエコノミーとデジタル通貨が開拓するフロンティア

可視化される「見えなかった価値」石山アンジュ(以下、石山):シェアリングエコノミーの仕組み自体は、使い方次第で良くも悪くも機能します。つまり、より安く他者の労力を使いたいという目的でシェアリングエコノミーを運営・利用することもできてしまう。なぜなら、価格を決める主体が企業ではないからです。しかし、私が視察をしてきたなかで、逆に良いところもたくさん見てきました。 石山:例えば、80代のおばあちゃんがAirbnbで貸し出している宿泊先では、おばあちゃん心を込めて掃除して、すごく