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有識者対談・インタビュー

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Web3への移行が本格化する世界において、より良い社会の実現に向けてチャレンジしているキーマンや有識者の方々とデジタル技術が未来社会について自由に語り合う対談コンテンツ。ディーカ… もっと読む
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2023年2月の記事一覧

人口減少社会の実態とデジタル化の可能性

空前絶後の国難!? 止まらない人口減少ハナエ:「少子高齢化」と叫ばれていますが、日本は今、どのような問題に直面しているのでしょうか? 河合雅司(以下、河合):危機の度合いでいえば、今までの国難とは比べものにならないレベルなんです。子供が生まれてこないということは、日本人はすでに“絶滅”のプロセスに入っていると言えるんです。 政治家も企業も、そして一般の人々も、この問題の本当の深刻さを理解できていないんです。なぜなら、社会が「子どもが少ない」という前提のもとに変化していって

人口減少社会に必要な「信用ある基盤」とは?

人口減少社会のポイントは「余計なことに人手を割かない」時田一広(以下、時田):デジタル通貨の最大の特徴は「自分でお金に機能を付けることができる」という点にあります。例えば、今日は天気がいいからジュースの値段を少し上げようとか、夜は電車の利用客が少ないからその時間帯は運賃を下げて宣伝をして集客を上げようとか、そういった「機能」をお金にプログラミングによって付けることができます。 河合雅司(以下、河合):なるほど。お金の移動だけでなく、状況に応じて値段を変動させたり、個別の機能

人口減少社会でも豊かに暮らすための未来への処方箋

人口減少社会における暮らしの変化 河合雅司(以下、河合):今、日本は人口減少問題のトップランナーと言えます。ですから、これまでのように海外をロールモデルのようにすることはできません。ここからの20年は高齢化が深刻化し、さらにその後の20年は毎年90万人近く減っていく人口激減期に突入します。 毎年、仙台市ひとつ分くらいの人口が失われていく。さらにいうと、今後のマーケットは縮小するだけでなく高齢化もしていきますから、モノの消費量は二重の意味で減っていくことになります。日本がその